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日本夢幻火車便當 林嘉翔 文•圖 皇冠叢書 [書籍・雑誌]

弁当、日本、鉄道の旅、これらは最近の台湾でも人気のアイテムのようです。この3つを合わせたものと言えば駅弁。台湾でも駅弁の旅をテーマにした旅行本が出版されるほどになったようです。JR化後、少なくとも駅弁と鉄道の旅と言う点では日に日に衰退して行ってるようで、以前は鉄道迷だった僕もいまやロングシートのワンマンカーが走り、短い編成で異様に混雑したローカル線の旅には食指が動かなくなってしまいました。駅弁の本も何冊も買って読んでいたのに最近では何処にどんな駅弁があるかも良くわかりません。台湾発行だから、久しぶりに手にした駅弁の本、少しページを繰ってみたいと思います。

「日本旅行之王」であるらしい著者による駅弁本、ページをぱらぱら捲ってみるとまず目に付くのがきれいなイラスト。林嘉翔 文•圖と有るので、著者自らがイラストも書いているようなんですが、弁当も丁寧かつ美味しそうに書かれています。それに対して写真の方は安物の観光パンフレットみたいでバランスが悪いなと思っていたら、こちらのほうは日本観光協会台湾事務所提供とのこと。コストダウンのためには仕方なかったのかもしれないけど、ちょっと残念です。

表紙を捲ると、鯉のぼりのイラストの下に備記として、日本の駅弁は駅で売ってるので車内で買えるとは限らない、値段、名称、包装などは変わることがある、弁当の内容は季節によって変わることが有る、と書かれています。後の2つはともかく、駅弁は車内で買えるとは限らない、と言うことは台湾ではいつでも車内で買えるのか、と思いましたが、福隆や、池上など駅弁の有名な駅ではホームの立売から競って駅弁を買う風景も有るようですし、まあ一般的な注意なのかもしれません。

駅弁をする前に収められている幻想的便當と言う文章の中で、著者は台湾では南から北までどこでも相も変わらずの排骨便當ばかり、コンビに弁当さえ排骨に滷蛋に名前だけ福隆だの奮起湖だのどうという事の無い名前を冠している、とぼやいています。僕らからするとその排骨便當こそが台湾でしか食べられない弁当であり、飛行機の乗ってまで食べたいものなんですが、著者の言うとおり、新竹の米粉弁当や彰化の肉圓弁当があればますます行きたくなるのは間違いありません。

著者が選択した弁当は北海道から、九州まで全23種類。森のいかめし富山のますのすし宮島口のあなご飯峠の釜めしなど超有名どころから、明石のひっぱりだこめしなど最近発売されたものまで取り上げられていますが、やっぱり不満も有ります。たとえば神戸の淡路屋が2種類(ひっぱりだこめし含む)取り上げられているのに、姫路のまねき食品が無いのはどううことか、とか、個人的には全国1位に押しても言い折尾のかしわめしが無いのはどうしてか、とか、牛肉系とすし系(もともとこう言う系統が多いにしても)が多いのはいかなる理由かとか、四国や山陰は0なの?、あれやこれやはなぜ入っていないなど言い出したらきりが無いですが、限られたページ数ですし、しょうがないのかもしれません。

駅弁の名前の中国語訳やタイトルもなかなか面白いです。崎陽軒シウマイ弁当を押しのけて神奈川県で唯一取り上げられた大船の「鯵の押寿し」は「国民魚的関西風味-竹筴魚押寿司」鯵は竹筴魚と言うのか、はともかく押し寿司といえば関西というイメージはありますが大船で関西風味なのかと言うのは意外な視点でした。森の「いかめし」は「在百貨公司一炮而紅-烏賊飯」やっぱり百貨店の駅弁大会で有名になったことは良く知られているようです。「名稱怪異的綠色飯糰-睜眼壽司」は和歌山は新宮の「めはりずし」漢字で睜眼とかかれると平仮名のめはりより意味がわかりやすい気がします。

「文明開化的昴貴洋食-涮牛肉便當村雨」は神戸の「しゃぶしゃぶ弁当村雨」。2000円と言う値段は確かにむっちゃ高い(昴貴)。僕が初めてしゃぶしゃぶなる食べ物を食べたのは新神戸でかった「しゃぶしゃぶ弁当松風」(村雨より安いバージョン)でした。それまで肉と言えば焼肉、すき焼きやら、しゃぶしゃぶやら炊いた肉は邪道(カレーは除く)と受け付け無かったんですが。ある日、川崎に有る会社の寮に戻ろうと新神戸から新幹線乗る際、夕食に肉めしでも買おうかなと弁当やさんの前でちょっと見ていると、後からやってきた小汚いおっさんが先に肉めしを買っていきました。どう言うわけか少し対抗心を持ってしまった僕は肉めしよりも高い「しゃぶしゃぶ弁当松風」を買ってしまいました。正直、嫌いなしゃぶしゃぶ、それも冷たくなったしゃぶしゃぶと言うことで味は期待していなかったんですが、これが美味しい。一発でしゃぶしゃぶは好きな食べ物になりました。
紹介文の中には神戸牛の素牛が但馬牛であること、神戸の洋菓子が美味しいことなど弁当以外のことも紹介されています。

巻末には駅弁の豆知識が紹介されていますが、最後の項目が「汽車土瓶」。この著者やっぱりかなり渋いです。

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