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1998/01広島、出雲、松江 [旅行記 日本]


青春18切符を手にして、九州で豚骨ラーメンを、いやいや名古屋で味噌煮込みうどんでも。旅行の予定を決める作業は楽しいもので、あれこれ浮かんで来たものを全部やっていると、一年中旅行に出かけていることになってしまう。時間もお金も、そういうわけにもいかないので、今回は2泊3日の旅となる。もっとも、制限が加わるからの面白さが有るわけだが。

1998年1月9日(金)休みを取って、朝5時過ぎに家を出る。昨晩は早く寝るつもりだったが、2時間程うとうとしただけで、後は時刻表をめくったり、4時には朝御飯を食べはじめたりと、遠足前の小学生のような気分になってしまった。そういえば、暫く旅行はしていなかった。始発電車に乗るため駅に向かう途中、冬のまだ夜の明けない道を歩いていると、自分一人が早起きしているような気分になるが、あちこちの家でもう明かりがついている。新聞屋さんや、牛乳屋さんも走り回っている。自分の気づかない所で、さまざまな一日がもう始まっているんだなと思う。

本日の予定だが、やっぱり、冬といえば日本海、久しぶりに日御碕の灯台でも行ってみるか、と言うことになれば、出雲そばか。出雲と言えば、広島駅新幹線口からのバスが出ていくのを、「のりたいな、けどかえらんなんしなあ」と、見送ったことが何度かある。広島といえば冬の味覚牡蠣。よし、広島経由で山陰に入ろう。と決めた。

多くの人にとっては、正月休みが終わった平日。姫路から神戸、大阪方面に向かう電車にはそこそこ乗っているが、赤穂に向かう列車はがらがら。数少ない他の乗客は殆ど眠そうに目を閉じている。僕一人だけ、浮かれているようで、なんか気持ちがいい。播州赤穂で今乗って来た電車は折り返し、大阪方面への通勤電車となる。冬の朝6時半はまだ真っ暗だが、発車していった電車の座席は結構埋まっていた。 通勤客が多かった大阪方面に比べ、僕がこれから乗る、岡山方面三原行きの電車の乗客は殆ど学生のようである。岡山7:55着と言う時間帯の為か、6輌もつないでいるが、まだ車内はまばらなまま、播州赤穂を発車。空が明るくなってくるとともに、乗客も増えて来て、学生だけでなく、通勤客も目立つようになり、車内も少しほかほかして来た。

岡山では、下車客も多かったが、乗り込んでくる方も、ホームに列を作っていた。東福山、土日ならここで快速スーパーラビットに乗り換えることで、広島にはおよそ20分早く着く。赤穂線を回る計画を立てたのも、この乗り継ぎが可能だったからで、これが成立すると10:45広島駅新幹線口発の高速バスに乗る、と言う選択肢が出来た。但し、今日は金曜日でスーパーラビットは走っていない。次に乗るのは三原駅でこれだと広島到着は、40分ほど遅く出る山陽本線経由の電車と変わらない。それでも今回早く出たのは、計画を立てて、始発に乗るぞという気分になってしまっていたためか。

広島着10:45。ちょうど新幹線口から出雲市行きのバスが出た時間である。スーパーラビット運転日ならこれに間に合っていたのだが。53分の大田市行きに乗ってしまう手もあるが、やっぱり折角広島まで来て急ぐことも無い。ここは牡蠣かお好み焼きをとる。次に出る出雲市行きのバスは12:30発、12:48発江津行きもありどちらかに使用と思う。もう11:00、12:30のバスだと、後1時間半程なので、駅近辺で食べる事にする。まずは、新幹線口をうろうろ、手近なところで、駅ショッピングセンターでカキフライを食べる事にする。牡蠣の料理は、生牡蠣、酢牡蠣、土手鍋等色々あるがやっぱりカキフライ。パリパリッとした衣にジューシーな牡蠣が何とも言えない。多少寝不足による倦怠感はあるものの朝御飯を食べたのは4時。もう7時間も前なのでまだまだ行ける。今度は、在来線がわの駅ビル4階の食堂街に有るお好み焼きコーナーに行ってみた。ここには数件のお好み焼き屋が入っているが、僕が入ったのは、階段をあがって一番近くにあった「麗ちゃん」。なんでか広島のお好み焼き屋には**ちゃんと言うのが多い。旅行中で贅沢したれ、という気分で1100円也のスペシャルそば入りを頼む。そばの質感と甘いソースがマッチしてうまい。広島のお好み焼きは何処がうまいか、niftyの会議室でもよく見る質問だし、ガイドブックにも色々書いてある、ただ小さいころから、広島でお好みをを食べて、それなりのこだわりを持っている、と言うこともない僕のような旅行者にとっては、どこで食べてもそれなりに美味しい気はする。今回はもう腹一杯だが、今度は、同時に何軒かはしごして比べてみるのもいいかなと思う。

さすがにおなかも膨らんだので、少しぶらぶらした後新幹線口に戻る。ここで、バス車内用のおにぎりとサンドイッチを手に入れる。昼御飯は済ませた床だし3時間程の車中だが、何がある革から無いので非常用である。食べなければ夜食や晩御飯の足しにしてもいい。まあ2つも買うことないやろという気もするが。切符売場で12:30発スーパーみこと号の乗車券を買う。指定席だった。発車直前に買って窓際の5A席ということで、この便はそんなに混んでないようだったが、夕方以降の便の空席は僅かのようだった。広島駅新幹線口を発車したバスは、紙屋町のバスセンターによる。ここでも数人乗ってくるが、がらがらの状態。やのに、わざわざ人が座っている前や後ろに座らんでも。ノンストップなのでもう誰かが乗ってくることも無いのに、もっと散らばってすわれ、とおもったが自分も移動がめんどくさく指定された席に居すわる。まあ、うっとうしくなれば反対の座席も空いているし。バスセンター発車後のアナウンスによると、本来はトイレ付きのところ代車でトイレ無になったとのこと。トイレの用が有れば早めにどうぞということだが、言うのは結構恥ずかしい気がする。「運転手さーん、おしっこ」とか手を挙げて言ってみるのも、まあ旅のアクセントかもしれん。(うそ) 赤名でトイレ休憩、小さな売店がある。別に欲しいものも無いのだが、こういう所ではついつい何か買いたくなる。チョコレート購入。松江方面への道と分かれほぼ定刻の出雲市駅前到着。

さてこれからどうするか、松江に行くか出雲大社まで行くか、考えてみるものの、やっパめんどくさいから、ここの駅前に泊まることにした。少し駅前を歩いてみると、幾つかのホテルや旅館では、玄関に**高校様とかある。数年前松江に来た時、なにかの大会が有ってホテルが全部満室。やっと米子でツインのシングルユースがとれたことが有り、やばいかなと少し思う。ベンチに腰掛け、出雲でもPHSが使えるんやと感激しつつ駅前にあるホテルへ電話を書けるが、何度かけても話し中、なんでやと思いつつ直接フロントに行ったが、空いている様子。よく考えると市外局番を押していなかった。

出雲市は初めて一人で泊まり掛けの旅行をした時に泊まったことのある街だ。まだ学生で、予算もそんなになかったころ。一日の食費も切り詰めていたが、一週間程の旅行も終わりの頃、いっぺん思い切り贅沢してみようと、出雲市で酢豚定食を食べた記憶がある。今日、そこに行ってみるんもええかなかと思ったが、その店はなくなっていた。しょうがないので、たぶんこの辺かなと言う場所の近所でトンカツ定食を食べて、スーパーで寿司とおかずを数品を買ってホテルに戻った。

1月10日(土)8時過ぎチェックアウトし、駅前のバス乗り場へ。丁度出雲大社行きのバスが入って来た所に乗り込む。通学の時間帯だが第二土曜日でも有るし、数人の学生がいるだけで車内は空いていた。出雲大社から日御碕へのバスは9:05発。後40分程有るので食事をしたいが、8時半だと何処もやってないかなと思っていたら、多くの食堂が営業を開始していた。

天気は曇り、すっきりしないが、それもいい。久しぶりに日御碕に向かうがなんかバスがスムーズに走っている。よく見ると所々道が付け替えられていて、バスが通るとすれ違いも困難だった場所は大幅に減っていた。狭いトンネルが幾つも閉じられていた。その代わり、というか、道路が崩れて片側通行になっている箇所が数カ所有った。バスが通る時いつも青になっていたがそういう仕組みなのか、偶然か。

日御碕のバス停前には今降りた数人の乗客だけだった。それでも売店のおばちゃんは、熱心に商売をやっている。ウミネコの鳴き声を聞きながら、坂をしばらく登って、灯台にたどり着く。日御碕に来るのは三回目だが灯台まで来るのは二回目。前回はバスの時間の都合で途中で引き返した。10時前という時間のせいか、季節のせいか灯台は閑散としている。おばちゃんが掃除中で、入口はこっちですよと誘ってくれる。ここは、前に登ったことが有るし、第一、僕は高所恐怖症で、二度とこういう所には登らんと決めていた。が、にこっとして「どうぞ」と言われたので、ついつい入っていってしまった。階段下で荷物を預けて、靴を脱いで、狭くて急な螺旋階段をあがる。2階3階4階5階まだかい。誰にも会わずに、一番上まで、たどり着く。ここでは外に出られるようになっている。折角だから、出てみるかと、一歩踏み出した瞬間、腰が抜けて、座り込みそうになった。他に人がいれば、前回と同じく、泣きそうになりながら、格好をつけて周りを一周するところだが、一人きりなのを幸い、とっとと降りる事にする。海沿いの遊歩道を通り、またウミネコを眺めながらバス停に戻る。バス停そばの日御碕神社には観光バスからの団体さんで賑わっていた。しばらくガヤガヤした後、小さな港では親子が凧上げをしていた。なんか正月らしいなと思う。まだバスの時間には間が有ったので、松江のホテルでも予約しとこと思い、一応PHSをみるとアンテナ3本。予約完了後、電話を切って見上げると、すぐそばの電柱にアンテナが着いていた。うーんこんな所でも使えるとは、意外に便利。解約は暫くせんとこかと思う。

11:00ごろ、出雲大社に戻ると、駐車場はいっぱいで入口にちょっとした列が出来ていた。3が日は過ぎたとはいえ、初詣に来る人も多いのだろう、さすがに人気がある。ここで、出雲そばでもと思うが、出雲大社周辺の食堂も混んでそうだったので、旧国鉄大社駅まで歩く。駐車場と大社の間は賑わっていたのに、道を歩く人は少なく寂しい。15分ほどで到着した大社駅は、綺麗に保存されていて、このまま列車が来てもええのになと思えるようだった。けど、人気は無い。ちょうど駅前にそば屋が有ったので、入る。美味しかった。出雲大社前から一畑電車で出雲市へ。JRで松江まで行くつもりだったが、電車が出たところ。次の普通の発車の13:29分まで約一時間有る。バス便でも無いかなと駅前のバス停に行ってみると、13:00発の宍道行きがある。宍道駅前には印象に残るカレーの食堂があったはず。行ってみよう。小型のバスは、初めこそ座席が埋まっていたもののどんどん減っていく。道路沿いには大型の店が並び、賑わっているがバスはすいたまま。時々国道から外れて、集落に入っていくという努力も虚しく、終点宍道連絡所で降りたのは二人だけだった。宍道連絡所から駅まで少し歩く。残念ながらあの時の、駅前の食堂は、もうやっていないようだった。別の食堂でかつめしを食べる。似たような味かなという気がした。

玉造温泉駅で下車。温泉でも入ってみるかと考えてみるが、まだ明るいし、気分が出ないのでそれは後にして、松江のホテルにチェックインする事にする。松江でおりて、駅前に観光用循環バスのレイクラインが停まっていたので、ふとみると、運転手さんは若い女性だった。路線バスの運転手さんにも女性がいた。西安でイヤリングを振り回しながら大型のバスを操っていた女の子を思い出した。かっこよく、おしゃれに。 4時過ぎにチェックインした今日のホテルはちょっといい部屋。角部屋で宍道湖が見える。雲がかかって夕焼けは見えないが。前のマンションちょっと邪魔やど。暫く松江の街を歩く。雲がかかって来て、宍道湖に沈む夕日は見えなかったが、やっぱり落ちついたいい町だなと思う。玉造へは、やっぱり、めんどさくなって行かなかった。

翌11日9時にチェックアウトし、松江駅に行く。時間を勘違いしていて鳥取行きの快速まで暫く時間がある。以前安いカレーを探して入った店で、モーニングセットを頼む。一番高いCセットにした。たった2両編成ではあるが、かつては急行として走っていた車両で、かつての急行のようなダイヤで山陰線を走る。鳥取に近づいて、学生で混雑するまでは、仮想急行を楽しめた。駅の食堂でイカ丼を食べ、バスターミナルへ。ここから姫路行きのバスに乗る。智頭急行の「スーパーはくと」登場以来、時間では1時間程差を付けられた、姫路行き特急バスだが、特に急がないのなら、バスも便利である。運賃は安いし、終点が姫路だと安心感がある。空いてるし。
山陽道全通の影響か、もともとか、中国道、播但道ともに渋滞無く5分ほど早く(あんだけ飛ばして5分だけと言う気もするが)姫路駅前到着。以前姫路から引っ越していった時、姫路に行くことが旅行のように思えて、なんか、もう姫路に住んでないんやな、と思って少し寂しくなったことがある。けど、あれから、10年以上立っているのに、国道2号線から、大手前通りに曲がった時、バスの両側に姫路城と、姫路駅が見えると、帰った来たな、という気持ちになった。このまま姫路の街をうろつくことも無いか、そう思って、そのまま帰途についた。
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